あけほのむらさき手帖

いと白く清げなる紙ほの光り花鳥うたふ旅にいざなふ

春ははな秋はもみぢと散り果てて

子ふたり侍ける人の、ひとりは春まかりかくれ、いまひとりは秋なくなりにけるを、人のとふらひて侍けれは 

春は花秋はもみちとちりはてゝ立かくるべきこのもともなし 

(1311拾遺哀傷)読人不知

「花の散る春に一人、紅葉の散る秋にもう一人、逝ってしまい、身を寄せて暮すところもなにもないのです。」

  二人の子をそれぞれ春と秋に亡くした哀しい歌。

©akehonomurasaki